沖縄の美しい風景と調和する、伝統芸術の守護神 【シーサー】

沖縄のシーサー 日本の伝統工芸

シーサーの歴史と特徴

シーサーは、古代オリエントの獅子像がシルクロードを通って中国へ、そして沖縄へと伝わってきた守り神です。その歴史や特徴についてご紹介します。

歴史的由来

エジプトやメソポタミア文明では、獅子はライオンを象徴し、王権や権力の象徴として崇められていました。スフィンクスもその一例で、人間の頭とライオンの胴体を持つ像です。この獅子像がシルクロードを伝わり、少しずつ姿を変えながら東へ広まっていきました。

沖縄に獅子像が伝わったのは13-14世紀頃と考えられています。記録に残る最古のシーサーは1689年に設置された「富盛の石彫大獅子」で、現存しています。当初はシーサーは権力者の象徴や集落の守護神として設置されていました。

富盛の石彫大獅子
富盛の石彫大獅子

一般家庭の屋根にシーサーが置かれるようになったのは明治時代以降です。規制が緩和され、赤瓦の家が増えたことで、職人が余った材料でシーサーを作り始めたことがきっかけとされています。

種類と特徴

シーサーには主に3種類があります。

  • 宮獅子: 王朝の権威の象徴として城郭などに置かれたもの
  • 村獅子: 集落の入口や高台に置かれ、災害から守るもの
  • 家獅子: 一般家庭の屋根や玄関付近に置かれるもの

シーサーの形状には意味があり、這う姿勢の「ホーヤー」は災害や魔物を追い払う役割、座った姿は福を招く意味があります。玉を抱えた「玉招きシーサー」は家族や財産を守ると考えられています。

シーサーは通常2体で対になっていますが、単体でも飾ることができます。2体の理由は仏教や狛犬の影響とされています。

シーサーの歴史と種類、そしてその形状に込められた意味を知ることで、より深くその魅力を感じることができるでしょう。シーサーは単なる装飾品ではなく、長い歴史と深い意味を持つ沖縄の守り神なのです。

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